HOME アイランドタイム > <インタビュー> グアムの植物を傑作のフラワーアートに

<インタビュー>
グアムの植物を傑作のフラワーアートに

グアム島に8店を構えるペイレススーパーマーケット(Payless Supermarket)。その中のひとつ、マイテ店内のフラワーショップを訪れると色鮮やかなトロピカルフラワーを使ったアレンジメントが並びます。作品を手がけたアーティストはシモン・パロモ(Simeon Palomo)。
 

グアムで育った草花だけを用いるという斬新なアイデアと彼の繊細な感性が組み合わさった作品は、島の人々の暮らしに寄り添うナチュラルインテリアとして人気です。
 

2018年にシモン・パロモを取材しました。
 

*************************************************************************
 

グアムのモンモン(Mong Mong)と呼ばれる地区のジャングルの中、エカ・ガーデンズ(E’ka Gardens)がある。照りつける太陽とグアムの大地が育んだ数百種類にも及ぶグアム原産の樹木や南国の草花、これらが生き生きと生い茂るこの場所にフローラルアーティスト、シモン・パロモ(Simeon Palomo)は家族と共に暮らしている。
 

もともとこの場所は彼のパートナー、アレハンドロ・ブラス・ビロリア(Alejandro Blas Viloria)の家族が何代にも渡り守り続けてきた土地。アレハンドロがこの地を耕し植物を育て、シモンがアーティスティックな感性で素材を選び、フラワーアレンジメントを創り上げていく。
 

アレンジメントに使う素材はすべてこのガーデンで育ったもの。輸入植物は使わない。土台となるオアシスでさえ、繊維質の固いスポンジのような構造をしたパパイヤの茎やバナナの幹を使う。種類や数が限られている島の植物のみで多くの作品を創るのは容易ではないが、少ない素材で創り上げる彼の作品はシンプルで一切の無駄がなく、日本の生け花に多くの影響を受けたと話す。
 

「初めは美しく形作られた盆栽に夢中になりました。プティ・タイ・ノビウ(ブーゲンビリア)などの低木を使って盆栽を作り始め、次第に顕花植物(花をつける植物)に興味をもち、フラワーアレンジメントを始めるようになりました」と振り返る。鮮やかな赤やオレンジの花に濃い緑色をした若葉を加え、プグア(ビートルナッツ)、バリンバイン(スターフルーツ)などの木の実や貝殻、石などをアクセントに選ぶ。素材はまったく違うのに、凛と佇むその姿はとても静かで美しい。
 

2016年にグアムで開催された太平洋上の島々の祭典『フェスティバル オブ パシフィックアーツ(Festival of pacific arts)』で、シモンは各島から集まったフローラルアーティストがグアムの植物のみで創り上げる作品を、驚きを持って見ていた。アイデアと工夫に富んだ作品は、彼がこれからすべきことの可能性を示して見せた。
現在、シモンはワークショップや学生向けのプレゼンテーションを行う。テーマはグアムの素材を使った『サステナブル・フラワーアート』。サステナブルとは持続可能という意味。彼の作品で使われた植物のいくつかはアートとしての役割を終えた後、再び大地に返すことができるのだ。「グアムの植物には輸入ものに負けない美しさがあります。島のさまざまな場所でこれらのアレンジメントを見ることができたら」と願う。
 

彼の作品は地元の教会や村のフィエスタなどで見ることができる他、2015年には写真集『トロピカルアート・グアム(tropical art, GUAM)』を出版。グアムの自然とチャモロ文化を取り入れ、人々の暮らしを多方面から見つめ創られた数々のアレンジメントは、見る者にグアムの美しさを再認識させる。「作品を通して地産地消を促進し、同時にグアムの歴史と文化を伝え残していくことができれば」と話す。
 

(Island Time vol.48, 2018年4,5,6月号掲載記事)
 

2020/10/22 グアム Island Time

関連タグ