グアムの日系人
旭日単光章を受賞
先日、グアム日系人会の会長を務めるフランク S.N.シミズ(Frank S.N. Shimizu)氏が旭日単光章(The Order of the Rising Sun, Silver Rays medal)を授与しました。
旭日単光章とは日本の勲章である旭日章の1つで、各分野における顕著な功績のあった人へ授与されます。シミズ氏が選ばれた理由として在ハガッニャ日本国総領事館は、アメリカにおける日系人コミュニティ、また日本とアメリカの友好関係の発展に大きく寄与したことが今回の受賞に繋がったと話します。
日本人を祖先に持つグアムの人々から成るグアム日系人会は、2012年に日本の歴史、文化、伝統、芸術を日本とチャモロの血を持つ人々に受け継ぐことを目的に設立。アメリカ準州として日本と深い繋がりを持ち、時には在ハガッニャ日本国総領事館と協力しさまざまな活動を行ってきました。
また、グアムにおける過去の大戦の悲しい過去にも向き合い、2015年にはグアム平和慰霊公苑(South Pacific Memorial Peace Park)に日系一世のモニュメントを建立。会員自らが自分のルーツを探り、日本とアメリカの狭間で翻弄された祖先を偲ぶとともに、そんな状況下でも逞しく生き抜いた祖先に敬意を送りました。
日系ファミリー、シミズ
今回、旭日単光章を受賞したフランク S.N.シミズ氏は日系三世。父親のアンブロシオ・トレス・シミズ(Ambrosio Torres Shimizu)氏はアメリカを代表するビール、バドワイザーなどのグアムでの販売権を持つアンブロス社(Ambros Inc.)を創業したメンバーの一人。
そして、フランク氏の祖父であるカツジ・シミズ(Katsuji Shimizu)氏こそがグアム日系一世。1894年に日本からサイパンへ渡り、その後、グアムに移り住み、ビジネスを立ち上げ広げていった人物です。
カツジ・シミズさんについては、雑誌「アイランドタイム」2015年7.8.9月号(vol.33)をご覧ください。
100年以上も前に海を渡り、グアムに根をおろし逞しく生きてきた日系一世の人々。現在、日本とグアムが非常に友好な関係であるのは、彼らが遺した功績によるものも大きいと思います。そして、彼らが遺したものが二世、三世へと受け継がれ、今回の受賞に繋がったのではと思います。