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グアムのクラフトビール物語
ミナゴフ編

手軽に楽しむアルコールとして欠かせないビール。グアムでは家飲みはもちろん、人が集まると大量のビールが消費され、家族や親しい仲間と一緒に飲むビールは何よりのごちそうだ。しかし近年、そんなグアムのビール事情に変化が起きている。すっきりとした喉越しで人気を誇ってきたラガービールに代わり、原料の香りや作り手の手法により引き出された奥深い味わいをじっくり楽しむビールファンが増えているのだ。そのきっかけとも言える、長年のグアムのラガービール市場に一石を投じたのが2010年に誕生したクラフトビール「ミナゴフ(Minagof)」だ。
 

「グアム・プロダクト・シール(*1)」を取得したグアム初のビール「ミナゴフ」。手がけるのは日本人醸造家の石井敏之。カリフォルニア州サンディエゴで3年、日本で8年の修行と経験を重ね、第二のビール人生を送るべく2010年グアムにやってきた。
 

原料調達から醸造、品質管理までこれまでの苦労は語り尽くせない。有樹子夫人と二人三脚でまずはペールエール(Pale Ale)とIPAの2種類をレストランに卸すことからスタートし、今では独特な香りと味わいでコアなファンが多いスモークドポーター(Smoked Porter)、狭山茶の茶葉を用いたグリーンティーIPA(Green Tea IPA)、グアム産カラマンシーを使ったさわやかなカラマンシーIPA(Calamansi IPA)を加えた全5種類。さらに試験的にジューシーIPA(Juicy IPA)、ブラットIPA(Brut IPA)、レッドIPA(Red IPA)の3つが一部のレストランやバーで楽しめる。
 

(石井自身が厳選した原料を用いる。カラマンシーはグアム産)
 

トシの愛称で世界各国の醸造家やビールファンに知られる石井。日本では軽井沢の地ビール「よなよなエール」のレシピ再構築にCOO(最高執行責任者)兼ブリューマスター(醸造責任者)として尽力し「インターナショナル・ビアコンペティション(International Beer Competition, 現インターナショナル・ビアカップ)」で7年連続金賞を受賞。他にも彼が手がけたビールは日本やオーストラリアで好成績を残している。
 

石井自身は2006年、イギリスで行われる「グレートブリティッシュ・ビアフェスティバル(Great British Beer Festival)」に醸造家としてアジア人で初めて招待を受け参加。続いて英国で開催される「ワールドビギエスト・リアルエールフェスティバル(World Biggest Real Ale Festival)」には8回参加し、このイベントのためだけのスペシャルビールをその地で作り、フライングブリュワー(Flying Brewer)としても高く評価されている。1998年以来、各フェスティバル、コンペティションで審査員を務めるなど、名実ともに世界を股にかけて活躍する醸造家だ。
 

(ビール好きやミナゴフファンが醸造所の壁に残したメッセージ)
 

そんな彼の一押しミナゴフはカラマンシーIPA。新しいスタイルとも言われるセッションIPAで、ホップの豊かな香りはそのままに少しアルコール度数を低めにした飲みやすさ。カラマンシーのさわやかな香りも手伝って、BBQやステーキなど肉料理とのペアリングがおすすめだそう。今年ミナゴフは新たな挑戦に挑み、クラフトビールファンの期待にさらに応えていく。
 

*1:グアム・プロダクト・シール(Guam Products Seal)とはグアム産であることをグアム政府が認定したものだけに与えられるマーク。
 

Information


ミナゴフ / イシイ・ブリューイング・カンパニー
MINAGOF by Ishii Brewing Company
電話:+1 (671)487-0868
URL:http://www.ishiibrew.com
 

醸造所見学可能(要予約・土曜日のみ1:00PM~6:00PM)
 

ミナゴフ(16oz缶)販売店
– ABCストア
– 76/サークルK
– ボンボヤージュ各店など

ミナゴフ(生ビール)取扱店
– シャムロック
– ビーチンシュリンプ
– イートストリートグリル
– カリフォルニアピザキッチンなど
 

2020/01/06 グアム Island Time

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