アンダーウォーターワールドで
マリアナ海溝を体験
タモンの中心にある水族館アンダーウォーターワールド(UnderWater World)。
全長100メートルのトンネル型の水槽には巨大なウミガメやハタ、エイやサメなど約2,000匹の海洋生物が生息。
頭上をゆっくり泳いでいくサメの真っ白なお腹を眺めたり、
ふと目を横にすると、そこにはウミガメが現れたり。
こちらは体重約250kgのハタ!大きな体とユニークな顔が印象的!
2階には大小さまざまな水槽があり、興味深い海の世界が再現されています。
グアムの海のような美しい世界。色とりどりの珊瑚にトロピカルフィッシュ。とっても綺麗です。
日本でもこの不思議な魅力にハマる人が多いとか?! とっても幻想的なクラゲの水槽。プカプカ泳ぐ様子を見ていると癒やされます。
そしてその奥に登場しているのが、今回ご紹介する「マリアナ・トレンチ・エキシビジョン(Marianas Trench Exhibition)」です。
いよいよ深海の世界へ
「マリアナ海溝」という言葉を聞いたことがある人は多いはず。
でも一体どこにあるの?どれぐらい深いの?
という方も多いと思います。
そんな疑問に答えてくれるのが現在、アンダーウォーターワールドで開催されいてる「マリアナ・トレンチ・エキシビジョン」です。
と、ここでまた、なぜアンダーウォーターワールドで?と思われた方もいるはず。
では早速、マリアナ海溝の場所からご案内していきましょう!
マリアナ海溝があるのは実はグアムのすぐ近く。サイパンやロタを有する北マリアナ諸島やグアムの北東から南西にかけて、ちょうど「J」のような形をしていて、世界で一番深い海溝がマリアナ海溝です。
マリアナ海溝の大きさは長さ2,550km、幅69km。そして最深部は11,033m。
11,033mがどれぐらい深いかというと、これぐらい。
こちらは「チャレンジャー海淵」と呼ばれる海溝最深部に、世界で一番高い山であるエベレスト山や日本の富士山を置いた場合の比較です。
エベレスト山や富士山の山頂からも水面まではまだまだ遠く、昔から人々はこの深海世界に強い関心を抱いていました。
こちらはマリアナ海溝の調査に関する歴史と記録の一覧です。深海生物の発見や初めて最深部に到達した時の潜水艇など、興味深い内容がたっぷり。
写真からは人々が未知の世界にロマンを抱き、深海へ果敢に挑戦した様子が伺えます。
そして彼らが地上へ持ち帰った神秘の世界の記録もここ「マリアナ・トレンチ・エキシビジョン」で見ることができます。
興味深い深海生物
人々が最も関心を寄せたのは、私たちが知っている海の世界とは全く異なる、光りの届かない真っ暗な世界で生物が生息しているのか、生息しているならどんな生物なのか。
深い海の底の暗闇を再現したこの場所で深海の生き物を観察できます。
水深1,500メートルで発見されたカレイや7,000メートルで見られたウニ、8,000メートルではクモヒトデが生息。その他、エビやカニなど、その環境に適したさまざまな生物が深海で生活を営んでいます。
こちらは水深8,000メートルで見られるヒトデです。さまざまな種類があり、とっても美しいですね。
マリアナ海溝では調査の度に新種が発見されています。調査が進んでいると言っても、まだまだ謎に包まれた神秘的な世界です。
こちらのビデオでは海底爆発によってできる地質構造や海底から熱水が勢いよく湧き出てる様子など、海底で起こるさまざまな現象をわかりやすく解説。深海生物の謎にも迫ります。日本語の解説もあり、とっても興味深いビデオです。
最後に登場するこちらは「コマンドセンター」。
マリアナ海溝は昨年2016年夏にもアメリカ海洋大気庁(NOAA)の調査船オケアノス(Okeanos)による調査が行われました。その際、調査船から送られてくる映像をライブで観賞したり、調査員たちと交信するためにアンダーウォーターワールド内に作られたのが「コマンドセンター」です。
グアム大学ではミクロネシア地域の海洋研究が行われ、アンダーウォーターワールドでもグアム大学とともに研究が進められています。いわばグアムはミクロネシア地域の海のエキスパート。
マリアナ海溝の調査でもグアムを基点にさまざまな情報が発信されているのです。
現在も調査船から送られてくる映像をここで見ることができます。新種大発見の瞬間に、もしかしたら立ち会うことができるかも?!
深海世界の異変
宇宙から見る地球が青いのは、地球の71%が水で覆われており、その海の31%が太平洋だそうです。
海の中ではさまざまな生命が営まれています。そして海から多くの恩恵を受け、生活を営む私たちがいます。
しかし残念なことに水深5,000メートルの地点にスパムの缶が落ちていることが確認されています。また水深10,000メートル付近に生息する生物が有害化学物質で汚染されていることも報告されています。
このエキシビジョンを見ると、壮大な海にますます関心が深まるとともに、私たちの行動1つひとつを見直す必要があることも思い知らされます。
皆さんもぜひ謎に包まれた神秘の海「マリアナ海溝」を体験し、海への自然への関心を高めてくださいね。
現在発行中の「アイランドタイムvol.41」でもマリアナ海溝の特集を組んでいます。
昨年の調査で発見された新種生物や、過去の調査の様子をご紹介しています。
グアム滞在中に方はぜひご宿泊のホテルロビーやショッピングセンター、レストランなどで手に取ってみてください。
またこちらからオンラインで読んでいただくこともできます。