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進むチャモロ語研究
村の綴りが変わりました

美しく雄大な自然に囲まれ、南国ならではのゆったりとした時間が流れるグアム。
しかし、この現在の姿からは想像もできないほど、グアムの歴史は波乱に満ちたものでした。16世紀以降、何度も激しい戦争の舞台となり、その後に始まった外国統治。そしてその結果、数千年に渡り育まれた文化の衰退など、過去500年のグアムの歴史は実に目まぐるしく変化してきました。
 

その歴史から続く現在、衰退の一途をたどっていたチャモロ文化、中でもチャモロ語は少しずつ復活の兆しを見せ始めています。
 

戦後も続いたチャモロ語を禁止した英語教育から、グアムの公用語にチャモロ語が追加されたのは1970年代のこと。
そして、公立小学校でチャモロ語科目が必須化されましたが、公立中学校・高校のチャモロ語が必須科目となったのはわずか8年前の2013年のことです。
 

チャモロ語については研究が続けられ、最近よく耳にするのはチャモロ語の綴りについて。
 

古代チャモロ社会では文字は用いていなかったと言われ、綴りについては特に熱心に研究されてきました。
現在使われているチャモロ語は、300年以上もの長い間、グアムを統治してきたスペイン語の影響を多く受けており、この数年、綴りについては本来のチャモロ語の発音に近いものに変更する動きがあります。
 

この「チャモロ」という綴りも「Chamorro」から「CHamoru」に変更となったのは2018年。
 

そして、最近では南部の村の綴りが正式に変更となりました。
左が以前の綴り、そして右が新しい綴りです。
 

Inarajan     Inalåhan
Agat       Hågat
Umatac      Humåtak.
Merizo      Malesso
Santa Rita    Sånta Rita-Sumai.
Talofofo     Talo’fo’fo.

 
一般の人々の認識が浸透するまでには、まだ少し時間がかかりそうですし、学校でチャモロ語を学んでいるといっても、家庭では英語を使うのが一般的になってしまったグアム。
 

古い文化を受け継いでいくこと、ましてや一時は消滅の危機にあった文化を復活させることは、時には大きな困難を伴いますが、しかし、この10年20年で確実にチャモロ語を見たり聞いたりする機会が増えてきました。このマリアナ諸島独自の文化の復活が、ツーリストにとってのグアムやサイパンの魅力を高めてくれることと思います。
 
 

2021/09/23 グアム Island Time

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