グアムミュージアムが再オープン
企画展の案内とミュージアムの歴史について
昨年3月から新型コロナウイルス感染拡大により休館となっていたグアムミュージアム(Guam Museum)。1年6か月ぶりに、9月からオープンしています。
現在、開催されている企画展は『「武道の精神(The Spirit of Budo, The History of Japan’s Martial Arts)』。
在ハガッニャ日本国総領事館と国際交流基金が主催し、グアム日系人協会、グアム政府観光局等が後援している展示会で、日本の武道の長い歴史を紹介しています。
戦国時代の戦の紹介とともに立派な鎧や兜、弓矢や真剣が展示され、日本人であっても興味深く見ることができます。
こちらの企画展は11月7日(日)までです。
2階の常設展は、古代チャモロ社会から西洋化、戦争を経て、近代グアムまでの長い歴史がわかりやすく紹介されています。グアムを訪れた際にはぜひ見ていただきたいと思います。
現在、入館は1時間10人までの完全予約制。ワクチン接種対象者はワクチンの接種証明の提示を求められますので忘れずに。
開館・閉館・移転を繰り返したグアムミュージアムの歴史
さて、一般的に「グアムミュージアム(Guam Museum)」と呼ばれているこのミュージアムですが、正式名称は「セネター アントニオ M. パロモ・グアムミュージアム アンド エデュケーショナル ファシリティー(Senator Antonio M. Palomo Guam Museum and Educational Facility)」というのをご存じでしょうか?
オープンしたのは2016年、わずか5年前ですが、グアムを含むマリアナ諸島の文化や歴史を後世に伝えるものとして、グアムミュージアムの構想は90年以上も前からありました。
(Photo courtesy of Guam Museum)
グアムミュージアムの初オープンは1932年、まだグアムがアメリカ海軍の統治下にあった時期です。場所はハガニア地区のスペイン広場。上の写真の通り、とても小さな建物でのスタートでした。
(Photo courtesy of Guam Museum)
その後、旧日本軍の統治下にあった時、第二次世界大戦の攻撃により建物が破壊。戦争が終わるとミュージアム再建の議論が進み、グアムの戦後10年目となる1954年にようやくスペイン広場のガーデンハウスで再オープンを果たしました。
当時ミュージアムは、グアムウーマンズクラブ(Guam Women’s Club)やグアムヒストリカルクラブ(Guam Historical Club)といったボランティアによって運営されていたそう。上の写真は、自分たちのルーツを探ろうと、学校の遠足でミュージアムを訪れていた子供たちの様子です。
1962年、タイフーン カレン(Typhoon Karen)により再び建物が破壊されますが、1970年代、1980年代はガーデンハウスで開館し続け、次第にコレクションが増えていき、1994年にアデラップの知事官邸内のエキシビットルームに移転します。
1996年には分館がタモンにもオープンしますが、わずか数か月で閉館。
そして、2002年に再びタイフーン チャタン(Typhoons Chata’)によりアデラップの知事官邸の建物が被害を受け、閉館を余儀なくされます。
その後は、分館としてグアムプレミアアウトレット(Guam Premiere Outlets)やマイクロネシアモール(Micronesia Mall)に一時的にオープン。ローカルだけでなく、多くのツーリストが訪れるようになりました。
2007年、マイクロネシアモール内の分館閉館以降は、貴重な文化的、歴史的遺物は誰の目に触れることもなく、グアムミュージアム空白の10年となります。
そして、新たにオープンしたのが現在のグアムミュージアム。25,000以上にも及ぶ貴重な遺物や写真等が保管、展示されています。
今はまださまざまま制限下での開館ですが、再びグアムの人々に、多くの観光客にグアムの歴史と文化を見てもらえる日が来ると思います。
Information
店名:グアムミュージアム(Guam Museum)
営業時間:10:00AM〜2:00PM
定休日:土~月曜日
場所:ハガニア地区スキナープラザ
電話番号:+1 (671) 989-4455